2.損失額

金川貿易保険事務所

2.積出し日を境にして損失額をどのように計算しますか?

積出し不能額を算定する場合

積出し前の損失額はどのように計算しますか・・・?
それは事故商品の調達のために支払った総支払額から総回収額を差し引いて計算します。
損失額の形態はどのようになりますか・・・?
通常は手元に事故商品がありますと転売差損、それが手元にありませんと解約違約金です。

不払い額を算定する場合

積出し後の損失額は積出した都度における支払期日の不払い額ですか・・・?
そうではありません。支払通知期限が最初に到来する支払期日分にその他のものも含めた合計額です。。
常にすべての支払期日分を合計としたものですか・・・?
そうです。それは正味債権額を意味しているからです。

積出し不能額を制約する場合

損失額が100万円のところ、積出し後の損失額に先充当したことにより、クレジットリミットの残りがゼロの場合、どうなりますか・・・?
積出し前に充当すべきクレジットリミットがゼロのままですと、それは「不てん補扱い」です。
今後は、例えば積出時に遡って6月以内の契約残を見積もり、その分を最高債権残高に加えるようにクレジットリミットを増額します。

不払い額を制約する場合

損失額が1,500万円のところ、クレジットリミットが1,000万円の場合、どうなりますか・・・?
当該クレジットリミットの1,000万円を損失額の上限としますから、それを超えた500万円は、「不てん補扱い」です。
今後は、積出し時にクレジットリミットの消し込みを図り、クレジットリミットの範囲内に積出すようにします。

第2番のシナリオ群では、積出し日を境にしてその前の段階では積出し不能額として事故商品の調達のために支払った総支払額から総回収額を差し引いた総費用になることと、その後の段階では不払い額として総請求額から総回収額を差し引いた正味債権額にあたることを併せて紹介しております。
また、留意すべき事項としては、総費用や正味資産額はそれぞれクレジットリミットの範囲内であって、両方に損害が生じた場合にクレジットリミットは正味資産額が先に充当されて、総費用が後になりますから、不足が生じるときは事前に最高契約残高等を想定し、前広げに増額申請することを併せて紹介しております。
(注)クレジットリミットとは、損失額の上限設定にあたり、その希望額としては1年単位の最高債権残高(または最高契約残高)に充分に余裕のある額(例えば、30日程度の請求期間分等。)を加えた額を言います。

「積出し前危険」の損失計算書
支払額 回収額
項目 金額 項目 金額
(1)契約の履行に要した費用 1,700万円 (1)前受金
(2)不可避の費用 (2)転売による利益(処分価額) 700万円
(保管費用) (3)調達材料等の再利用価値
(弁護士費用) (4)担保の売却益
(前受金の返還) (5)補償金等
A 合計 1,700万円 B 合計 700万円
差額(A-B) 1,000万円
総費用
「不払い危険」の損失計算書
請求金額 回収金額
請求書
番号
請求日 支払期日 請求金額 回収金額 回収日
0001 15.08.01 15.10.01 1,000万円
0002 15.08.25 15.10.25 1,000万円
A 合計 2,000万円 B 合計
差額(A-B) 2,000万円
正味債権額