9.保険選択

金川貿易保険事務所

9.ユーザンス180日を境にしてどのように保険を選びますか?

包括の定義付けで
扱う保険会社を選ぶ場合

ユーザンス180日以内に対して保険をかけたい案件ではクレジットリミットがたたなく、逆に保険をかけたくない案件ではクレジットリミットがたつということがありますが・・・?
バイヤーに与信力をつけさせるだけでなく、与信リスクに即した包括の定義づけでもって選択の尺度にすることができます。
例えば、(A)信用状取引先、(B)現地国の上場企業先、(C)日系上場企業の現地先企業を除くすべての与信取引先をあげることができます。
例えば、現地国での非上場企業ですと、「財務データの非開示企業」が多くなり、与信力アップに苦労するかもしれません。

プロジェクト契約を
扱う保険会社を選ぶ場合

ユーザンス180日超におよぶプロジェクト案件はどうすればよいですか・・・?
プロジェクトの収益力やそのFeasibility Study等による評価でもって選択の尺度にすることができます。
そのプロジェクト案件は資金調達をどうするかがメインの課題です。それに対する保険はどうなりますか・・・?
プロジェクトの事業主体に貸し付ける案件も金融機関等においては保険なしでは難しいですから、その付保手配もでてきます。

海外取引+国内取引=1本の包括契約で扱う外資系損保会社を選ぶ場合

国内取引がある場合はどのようにすればよいですか・・・?
国内取引+海外取引について1本の保険契約を締結し、定率の保険料率によりカントリーリスク分を薄めることでもって選択の尺度にすることができます。
具体的にはどういうことですか・・・?
包括契約書の対象国に「ジャパン」を含めるだけです。

海外リスクをトータルで扱う日系損保会社を選ぶ場合

海外リスクの保険を扱っている日系損保会社がありますが、どのようにすればよいですか・・・?
例えば、貸倒リスク+PLリスク+海難リスクの3本についてトータルのプラン作りでもって選択の尺度にすることができます。
具体的にはどういうことですか・・・?
3本のリスクについて保険料計算の基礎額を確定売上高とし、そのデーターを共有しますと、それに要する人手と時間のセーブを期待することができます。

第9番のシナリオ群では、バイヤーに与信力をつけさせるだけでなく、与信リスクに即した(A)包括の定義付けを行ったり、プロジェクトと収益力やそのFeasibility Study等により(B)プロジェクト評価を行ったり、国内取引+海外取引について1本の保険契約を締結し、定率の保険料率により(C)カントリーリスク分を薄めたり、または例えば貸倒リスク+PLリスク+海難リスクの3本について(D)トータルのプラン作りという保険選択の尺度を紹介しております。

保険選択の尺度
ユーザンス 取引の内容 国別カテゴリー
A1、A2、A3、A4 B、C、D
180日以内案件
(L/Cを含む。)
(1)新規バイヤー リスク大 リスク大
(2)シニセバイヤー リスク中
(3)L/Cバイヤー リスク小
国別カテゴリーがB、Cにダウンするにつれ、どんな支払条件でもリスキーです。(Dは謝絶案件。)また、A1~A4までは取引期間の長短やL/C条件の有無により、リスクの大小を左右することがあります。
180日超案件
(L/Cを含む。)
(1)新規バイヤー リスク大
(2)シニセバイヤー
(3)L/Cバイヤー
どんな支払条件でもリスキーと言えます。
(1)新規バイヤーとは、保険期間の期中にはじめてTT(後払い)条件で取引を行った先を言います。
(2)シ二セバイヤーとは、例えば10数年前より継続的にTT(後払い)条件で取引を行っている先を言います。
(3)L/Cバイヤーとは、信用状取引を行っている先を言います。