15.回収金通知

金川貿易保険事務所

(1)回収協力の報告はどうなりますか?

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ここでは、セラーの回収協力の履行報告が(A)保険金の支払い時に履行条件がついたときに報告するか、それとも(B)回収継続の場合に定期的に回収協力の報告を実施するかどうかです。
公的保険では、保険金を請求した後最初の2年間は3月毎(年4回分。)その後は1年毎(年1回分。)です。(サービサー回収のときは不要。)
また、民的保険では、回収協力に対する定期的に報告する義務がありませんが、保険金の支払い時に履行条件がつくときは、その場合の報告が想定されます。(案件対応。)
2スキームで関心のあるのは、現地側での担保処分にあたって保険会社からのサポートを期待し易いところです。

(2)回収金があったときはどうなりますか?

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ここでは、通知期限が(A)「直ちに」とするか、それとも(B)所定の日から「1月以内」として決められているかどうかです。
公的保険では、回収金は保険会社あてに1月以内に通知し、回収着金額等を明らかにし、複数の契約にわたるときはその充当の内訳を分かるようにします。
また、民的保険では、保険金支払日を境にして事前回収の場合では未払金への充当となり、事後回収の場合では保険会社に帰属分を戻し、その残りはセラーになります。
2スキームで関心のあるのは、事前回収の場合には未払金に直ぐに充当できるところです。

(3)回収金の返還割合はどうなりますか?

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ここでは、回収金の返還割合が(A)船積み後では信用危険で90%、非常危険で97.5%又は100%か、それとも(B)積出しの前後とも原則90%かどうかです。
公的保険では、返還割合は代位比率(=支払い保険金÷損失額)ですが、通常船積み後では信用危険で90%、非常危険で97.5%又は100%です。
また、民的保険では、返還割合は代位比率(=支払い保険金÷損失額≦クレジットリミット)ですが、通常積出しの前後とも原則90%です。
2スキームで関心のあるのは、回収金を限度として回収費用を負担して貰えるところです。

(4)与信取引の復活に向けたセラー側のアクションはどうなりますか?

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ここでは、全額回収後のアクションが(A)信用調査報告書を入手した後の格付変更申請をするか、それとも(B)オンラインによりクレジットリミットの復活申請をするかどうかです。
公的保険では、全額回収後には保険者によりER格等⇒EC格にアップすることがありますが、さらにアップを望むときは当該バイヤーに対する信用調査報告書等を手配し、格付変更を申請します。
また、民的保険では、全額回収≒バイヤーの信用力の回復と見なし、当該バイヤーに対するクレジットリミットの復活を申請します。
2スキームで関心のあるのは、全額回収によりクレジットリミットの復活し易いところです。