1.懸念材料
特注品の場合
対象商品は特注品がほとんどであり、万一積出しができなくなったときは、大変な損害を被る恐れがありますが・・・? | ||
転売差損が大きいときは、オプションとして「積出し前危険」特約をつけることができます。 | ||
積出し不能に対する懸念にマッチした特約をつけることにします。 | ||
それは、積出し不能+債権回収不能という両方の懸念に対して保険がかかることを意味します。 |
汎用品の場合
対象商品は汎用品がほとんどであり、積出し後にバイヤーから商品代金の回収ができない恐れがありますが・・・? | ||
転売差損が小さいときは、オプションにあたる「積出し前危険」特約をつけるかどうかは自由です。 | ||
積出し不能に対する懸念がないとしますから、その特約をつけないこととします。 | ||
それは、債権回収不能に対してのみ保険がかかることを意味します。 |
ユーザンスが短い場合
ユーザンス180日以内の場合、保険のかけ方はどうなりますか・・? | ||
予め定めた範囲内のすべてにわたって保険をかけるという包括系しかありません。それは継続的取引のもとで、ある程度の貿易量が求められます。 | ||
ある程度とは・・・? | ||
バイヤー数は10社、予想売上高は10億円です。 |
ユーザンスが長い場合
ユーザンスが180日超の場合、保険のかけ方はどうなりますか・・? | ||
保険をかけたい案件を選ぶことができる個別系しかありません。それはスポット取引のもとで、例えばプロジェクト案件があります。 | ||
そういうプロジェクト案件に対する保険料率の水準はどうですか・・・? | ||
ユーザンスが長いというだけで不払いの懸念が高まり、カントリーリスクの影響を受け易くなり、かつ、危険の分散がし難いことから、保険料率の水準は比較的高めです。 |
第1番のシナリオ群では、特注品と汎用品に大別し、転売の難易度により特約のオプションを紹介しております。また、留意すべき事項としては、ユーザンス180日以内の場合は包括系のもとでバイヤー数が10社以上、予想売上高が10億円以上という貿易量があることと、それが180日超の場合に個別系のもとで例えばプロジェクト案件があり、ユーザンスが長いだけで不払いの懸念が高まり、カントリーリスクの影響も受けやすいことから比較的保険料率が高めになることを併せて紹介しております。
1.保険 | 「危険について保障する」という文言から「保」と「険」を結びつけたものです。 |
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2.保険約款 | 保険者(保険会社のこと。)が提供する「保障」という約束の内容を定めたものです。 |
3.特約 | 保険約款に追加して例えば「担保危険」(積出し前危険と不払い危険)を拡大(両方のこと。)したり、保険約款どおり(不払い危険のみのこと。)にしたりするものです。 |
4.積出し前危険 | 契約上の義務の履行を継続できるかどうかの懸念を指し、いわゆる「船積前危険」にあたるものです。(船積不能のこと。) |
5.不払い危険 | 債権が支払われるかどうか懸念を指し、いわゆる「船積後危険」にあたるものです。(債権回収不能のこと。) |
6.包括系 | 懸念する取引だけでなく、特約の条件等に合致するすべての取引に保険をかけるものです。 |
7.個別系 | 懸念する取引を選んで保険をかけるものです。 |